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2009年11月 アーカイブ

2009年11月03日

54歳

 

誕生日でありました。

気温3度、雪混じりの北風吹き荒れる撮影現場で、

心温かいスタッフ、キャストの皆さんに祝っていただきました。

なのに大幅に撮りこぼしました。

ううっ

しゅいましぇん・・・・

かわいく言ってもダメですが。

しかし、

毎回、この仕事をやっててよかったと思う日であります。

 

おととしは静岡・島田の古い工場で。

去年は千葉のゴミ熱処理工場で。

今年は関東の北の端、広大な牧場で。

なんだかヘビーな場所が多いが、それもまた“ワタシ的”であります。

 

思えば映画「アイオー」の頃からそうだった。

もう何年も野外バースディ。

一年を通じて“テント暮らし”“一日中テレビを見て過ごす男”としては当然だ。

いやむしろ誇らしい。

なぜなら、この仕事以外は、たぶん、できないからだ。

そしてロケが大好きで、ロケ現場にいることが幸せだからだ。 

学生時代から熱望して選んだ仕事ではなく、後天的だが、

徐々に『天職』の実感が。

だから廃工場だろうが熱処理施設だろうが北風の牧場だろうが洞窟の中だろうが水中や山の山頂でもまったく喜ばしい。

水中や頂上は未だないが。

 

まあ、いろんな意味で作るものの完成度はまだまだだと思っているし、

54歳なのに「やっと出発点の感」すらあるのだが、

満足したら終りだろう。

あと何年できるか皆目見当つかない仕事だが、

どんな作品でも、まるではじめての作品のように、

丁寧に野心的に向き合いたいと思っている。

そして自分に100点は出さないし出せない。

とにかく「その先」へ突き進むこと。 

それが祝ってくれた多くの皆さんや作品をご覧いただく皆さんへの回答だと思う。  

だから来年も再来年も、砂漠だろうがジャングルだろうが南極だろうが、どこでも誕生日を迎えたい。

 

 

皆さん、ありがとうございます。

まだまだまだまだがんばります!

 

 

 

2009年11月09日

某所

誕生日あたりから北関東某所にロケでずっと宿泊している。

「某作品」である。

まだ言えない。

たぶんもうすぐ言える。

言いたいが、言えん。

 

毎日、一日の中に冬と夏があり、

美しい朝日と夕陽を拝め、

幻想的な霧や、雲の流れ、深まる秋の色合いを楽しむ・・・暇はなく、

猛烈なスピードで撮り続けねばならないのだった。

とにかく走ってるみたいな撮影スピード。

考える暇はない。

スタッフ、キャストごめんなさい。

まだまだです。

よろしくです。

 

3日前、起きて、なんだか違和感を感じ、変だな・・と思い現場に行ったら、

体温が平熱35.5度のところ37度まで上がっていた。

ああ、またか・・・ロケのたびに一度は必ずひどい熱が出る。

地方ロケの通過儀礼か、

よし葛根湯だ、パブロンだ、なんてのんびり構えていたら、

38.5度まで上昇し、これは尋常じゃない。

もしやインフル?

中年はかからないのでは?(もちろんそんなことは全くない)

偶然、午後の撮影が比較的“軽い”ものだったので、ちょっと抜けさせてもらい近くの病院に滑り込む。

実に親切に丁寧に対応していただき、まずはインフル検査。

結果はシロ。

よかった。

しかし熱は高い。腹も相当痛い。

点滴90分。

どうせ見えねえ・・と派手なTシャツを着てきたこと、それなのにホッカイロを背中にばっちり張っていたこと、最近購入した「鼻緒つきトレッキングシューズ(浅草でプロデューサー渡邉さんから誕生日にいただいた、これすごいですよ、その内書きます)」のため親指が分かれている靴下を履いていたこと・・・

そこいらへんをばっちり看護士さんに見られたのは、かな~り恥ずかしかったが、そんなことを言っている場合じゃない。

とにかく熱下げなきゃ。

黙々と点滴。

ぐるぐると夢。

終わってずいぶん楽になったが、大事をとってホテルへ帰る。

食欲は全くない。

菓子パン、ヨーグルト、水。

起きては薬・・で12時間寝る。

翌朝、薬臭さで目が覚めたが、熱は下がり、頭もすっきり。

いつも通り夜明けに現場に入り、

いつも通りのロケ。

親切にしていただいた病院の方々に感謝。

治していただきました。

 

それにしても 病気は1時間から半日で治す!

これプロの鉄則。

・・・ってどんな人生だよ。

 

昨日は少しふらふらしていたが

今日は全く元通り。

食欲も復活。

ステーキなど食らう。

 

まだまだ続く北関東。

雨と寒さ、もう少し待って!

 

 

 

 

 

 

 

 

2009年11月14日

TRICK!!!

そうです。

「TRICK」です。

久々です。

でもマンマです。

久々みんな集まって、撮影始めて、5分で元通り!

なんだろう。

実家や故郷の同級生や、そんなカンジだ。

笑ってます。

初めての方々も笑ってます。

そしていろいろ“詰まって”ます。

ぎっしりです。

毎日へとへとですが、超!楽しいです。

どうぞお楽しみに!!

 

 

今日は久しぶりに一瞬東京に戻り、

これから新幹線で名古屋。

今、ニュースで「名古屋は土砂降り」と・・・

 

 

明日からまた怒涛の「TRICK」ロケ!

 

 

 

2009年11月18日

晴れたり雨ったり

 

天気のヤロウは自由自在だ。

こっちの都合なんてどうでもいい。

周りが見えないくらい強い日差しや、テントがつぶれるほどの大量の雨、立ってられない強い風。

中止になり先送りされる撮影日程、風で吹き飛んでいくスケジュール表・・・

たかだか高さ10キロメートル(車で走れば数分だ)の空気の層に翻弄される大勢の人間達。

まあそれが地球で生きてるってコトか・・・

天を睨んで恨むスケジュール担当の助監督の気持ちには同情するが、

そうやって5億年くらい生きてきたんだよね、ヒトは。

だったらイチニチフツカの遅延はしょうがないよね。

天候的に大人になろう!

(てか一日の遅延で損害をくらうプロデューサーには怒られそうだ)

 

 

映画「TRICK」の撮影は進む。

毎日、厳しい状況だが猛烈に楽しい。

いいことだ。

 

映画「20世紀少年 最終章 ぼくらの旗」

DVDは公開ヴァージョンとは違うスペシャルなモノになるらしい。

お楽しみに!

 

映画「BECK」

CGやら音楽やらの作業が続く。

週に一度見直すが、何度見ても見飽きることはない。

早くお届けしたい。

 

そういえば「トリック」「ベック」「ケイゾク」「アシタノキオク」「マボロシノヤマタイコク」「イケブクロウエストゲートパーク」

なぜか私の作品は「ク」で終わるタイトルが多い。

クジメの堤・・

クで終わる作品の企画をお持ちのプロデューサーの方、未来を話し合いましょう!

 

 

さて今日は長かった栃木県佐野市の撮影もひと段落の日。

(撮影自体はまだまだ続きますが)

映画「20世紀少年」の時もお世話になった場所。

長期滞在したホテルもすっかり慣れたところだ。

いくつか食べたり飲んだりしたお店も印象深い。

東京の生活では味わえない思い出が残る。

ありがとうございました。

サンキュー佐野!栃木!

(いや、まだ撮影残ってるって)

長期滞在によって忘れがたい場所がどんどん増えていく。

気仙沼、島原、高崎、宮古島、島田、八丈島、松崎、NY、上海・・・

全ての場所で素晴らしいカットが撮れ、

おいしいものを食べ、

大風邪をひき、

たくさんの人情に触れ、

思い出が残る・・・・

 

 

さてセンチメンタルは置いといて現実的具体的撮影に向かうとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2009年11月23日

諸々

撮影はまだまだ年末まで続くのだが、

なんだか一段落している。

久しぶりの「TRICK」だったから不安だったが、

ある程度まとまった現場編集を見て、

「TRICKだな~」と思う反面、

「なんだか深いな~」と思ったりもする。

今後の編集の方針がすっきり立ったので、いい按配だ。

 

きのうはロケハンで伊豆半島~相模湖~草加という猛烈な移動。

草加からの帰りは電車に一人乗り、そういえば学生時代「五反野」とか「北千住」とかよくきたな~など考え、出来上がりつつある東京スカイツリーを眺めながら東武線、常磐線、山手線。

 

食道というか肺の中というかお腹の上というかその辺に、

なんか違和感があり(何年もだけど)、

食べ物がそこらへんを通る時になんだか微妙に“狭い”気がする。

で、マッサージに行く。

気持ちよかったが、治りはせず、今朝起きたらもみ返しで違和感が緊張感になっている。

 

 

起きて猛烈に天気がいいので、大掃除。

 

さて夕方から仕事。

無意味な日記。

 

 

 

2009年11月30日

11月終了

ってコトは今年も終りだ。

師走だ。

走らなきゃ。

 

なんて書かなくても“走らざるを得ない”スケジュールだった。

冬は昼が短いからきつい。

毎日、走るだろう。

じゃないと撮りきれん。

うー

 

24日

久々に間近にヘリコプターを見る。

普通のリビングみたいな客室だった。

 

25日

なんだかみぞおちなのか食道なのか井上、いや胃の上の辺りの具合がよろしくないので近くの病院。

後日、検査しましょう・・となる。

 

昼から日活撮影所でわらわらと準備。

意味なくうなぎが食べたくなり(みぞおちの怨念か)

ご飯がないと言っているうなぎ屋さんに無理やり炊いてもらって、助監督とうな重。

うまい。なんだか。

 

26日

衣装合わせ。

夜、NYでいつもお世話になっているOさんと食事&打ち合わせ。

来年の企画の検討。

 

27日

病院でCT。

0.002%の方はショックで死ぬ可能性がありますが、いいですね?・・・という同意書を書かされた造影剤を打ち、検査。

ちょっと痒くなったが0.002%に人間ではなかった。

てことは年末ジャンボのツキも失ったか・・・とへんな連想をしたが、死んだら受け取れない。

 

最近、とある企画でローカル線の研究をしているが、面白いこと数々発見。

今度書きたいな。

いや書いたら企画書の独自性が失われるからダメか。

・・・何言ってんだ。

 

三軒茶屋でシスカンパニー公演、

「バンデラスと憂鬱な珈琲」

最近福田雄一氏とよくお話させてもらっているので、見させていただく。

王道だ。

笑いの。

素晴らしい。うらやましい。

ホンが面白く、演出が巧妙で、名優がこれだけ真剣に笑いを追求すると、

一種の“現代アート”に近い迫力がある。

笑いの奥に、完成されたプロの野心を感じた。

 

28日

病院で結果。

「CT上はなんにもないですね。ま、胃カメラ飲んで最終結果出しましょ。」とあっさり。

えっ?無罪放免じゃないのか・・・

 

午後、衣装合わせ。

なんだかむちゃくちゃ楽しい衣装合わせ。

 

夜、ロケ地に移動。

 

29日

とある牧場でロケ!ロケ!ロケ!

 

 

 

そして明日から12月。

ロケ!ロケ!ロケ!

 

 

 

 

 

 

 

 

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