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2008年07月 アーカイブ

2008年07月02日

しばらく書けなかったので、長い・・・か

 

なんだかんだでやることがいっぱいで

日記をサボっていた

その間にも季節はめぐり

地球温暖化は進み

かなりの私の細胞が、死んだ・・・

 

 

二本の映画の編集は進んでいるが、後退もし

「ピクチャーロック」はもう一歩だ

傾向の全く異なる作品だが

不思議と自分のなかでは調和が保たれている

うまくいくかなと不安に思う反面

非常に楽しくてたまらない

完成までの紆余曲折が“人生”だ

 

 

先週木曜日夜

青山劇場でD-BOYSの

「ラストゲーム~最後の早慶戦」を見る

話題の男子グループの舞台

結論は、なんだか、すごくよかった!

全く時代に媚びることなくストレートで強いメッセージを

堂々とぶつける男達

しかもしっかりと稽古していて安心感がある

きちんとストーリーがわかる

長いのに飽きない

ちゃんと感動できる

素晴らしいことではないか!

「人に見せる基本」それを勉強させてもらった

ありがたいことだ!

プロデューサー渡辺さん、松田さんとD-BOYSに感謝!

 

 

 

先週金曜日夜

鶯谷は東京キネマ倶楽部で

和久井光司氏と“我が”浦沢直樹氏プレゼンツの

「20TH CENTURY ROCK SHOW」を見る

4時間立ちっ放しで大興奮!

 

トップバッターは佐野史郎氏率いるSANCH

いやあ佐野さんとは過去ロフトプラスワンで『はっぴいえんど対談』とか生意気にもやらせていただきましたが

恐れ入りました!

素晴らしい“バンド屋”じゃないですか!

久々に「これだ!これ!」とまるで10代後半に戻ったように興奮

その立ち姿に、ギターに、声に、派手な女性ドラムに、的確なベースとキーボードに、時々泣くギターソロに

初めて行ったライブハウスでイカシたバンドを見て固まった“あの時の感覚”を思い出したのでした

 

 

そしてパール兄弟

怒涛の変化球は梅酒の酔いも回って細胞に突き刺さり

自分が何年代にいるのか判然としなくなる

いいっすねー 

 

 

そして和久井氏率いるセルロイドヒーローズ

(キーボードはなんと難波弘之氏!)

分厚くオモロイファンクなロック!

ロックを楽しむスピリットはきちんと現代も生きている!

 

ややあってゲストの久住昌之氏登場

「自由の筈」はすげえ名曲!

 

そしてそしてお待ちかね浦沢先生の登場!

CDデビューされる記念でもあり

“完璧なロックアーティスト”として音をぶちまけたステージ!

最初は、大ヒット漫画家であり、しかも自分の映画作品の原作者であるわけで

「聞く緊張」で強張ったが

そんなものは「聞かせる迫力」で、1分で粉砕された

いやあロックだったー

楽しかったー 

 

 

そして映画「20世紀少年」の音楽も担当され

スーパーバンド ムーンライダースのギター

白井良明氏の登場!

アルバム「最後の晩餐」の超名曲「Come sta,tokyo」を聞いたときには

軽く泣いてしまったのだった

ザッツロックギター!

“大人のロック”とはこのことか

ロックとは商品化された音の羅列ではなく、“心の状態”なのだ!

 

アンコールは全員で“(あの曲)”を!!

知りたい方は映画「20世紀少年」をご覧ください

浦沢氏の代表曲でもある(あの曲)で溢れています

お楽しみに!・・・

ってライブに感動していたのにいつのまにか映画の宣伝してるオレって・・・

まあ幸せな鶯谷でした

 

 

そして土日は

素晴らしい人々との出会いがあり

いくつかの感動があり、いい週末

 

 

 

 偶然触れた画家の猪熊弦一郎さんの自伝の言葉に感動

いわく「自分の好きなことを二十歳の時から五十七年続けている。」

「それでいてまだこれでいいと思う作品はできていないように思う。描きに描く間に自然、子供のような純粋な気持ちにかえり、だれにほめられようとも思わぬ自分本来の姿を勇敢に描き抜けば、それが私のこれからの仕事だと思う。」

「私は毎日の仕事が愉快でならない。」

お言葉のほんの一部の抜粋であるが、素晴らしいではないか

偉業をなす芸術家は、自分に忠実で、すべからく謙虚だ

 

 

日曜の夜

ひどい土砂降りで、住んでいる古いマンションの共有部分が停電

部屋は平気だったのだが

突然地デジとインターネット(マンションでひいている)が使えなくなる

仕方なくBS1を延々と見る

このチャンネルはよく見ているのだが、あえてこれしかないとなると少し寂しい気もしたが

作家の「城山三郎さんの生涯」のようなドキュメント&再現ドラマをやっていて、つい見入ってしまう

ものすごくびっくりしたのが

私は名古屋の城山中学校を卒業したのだが

それは名古屋の城山地区というところにあるから城山中学なワケで

城山さんはその城山地区にデビュー当時住まれていて

だから「城山」というペンネームだということをはじめて知り

「えっ?えっそうなの?」

あらためて自分の無知を恥じ

(てっきり茅ヶ崎の作家の方だと思っておりました)

めちゃくちゃ親近感を覚えたのだった

しかもお書きになった膨大な著作の中の一つ『盲人重役』では作家の宮崎康平さんのことを書かれており

これは秋に公開される映画「まぼろしの邪馬台国」の主人公なのであった

そして番組では素晴らしい奥方とのあたたかくも切ないラブストーリーが淡々と描かれ

さらに硬派な闘う作家としての姿も垣間見れ

いたく感動したのでした 

そんなわけで今日、本屋に行き、城山作品を買い集め

これから読み進めようと決意した次第

 

 

 

月曜日は東映大泉撮影所でアフレコ

夜、東映ラボテックでラッシュ

終わってスタッフで焼肉

 

 

火曜日は東宝スタジオで映画「20世紀少年」の美術打ち合わせ

朝から無い知恵振り絞って、頭がブリキのようになってしまった

 

 

 

さて7月、今日からもこつこつと

がんばろうっと!

 

 

2008年07月11日

夜風

 

夜風が心地よい

どんなに暑くてもエアコンは出来るだけ使わないようにしている(つもり)

だから今夜みたいな夜は、いい

日記を書き

原作を読み直し

DVDの整理をし

たまった資料や領収書のファイリング

などなど・・・・

でも一杯飲んでしまって

あー涼しい、と呟きながら寝てしまうのか

それも、いい

 

 

編集やらアフレコやらCGやら音チェックやら

文字確認やら

“仕上げ”の作業が続く

映画「まぼろしの邪馬台国」

映画「20世紀少年」

仕事の場所は成城か大泉で大きく分けられているが

最近スタジオの借り状況でそれが逆になったり

ぐるぐるぐるぐるといったりきたり

それも、楽しいか

 

さて

一杯飲むか

あれっ

 

2008年07月20日

本日よりダビング開始!

 

また長く日記をサボった

暑いから・・・

いやいや理由にならん

けっこう忙しく、夜は何もする気にならないのだった

いかんいかん

 

 

本日より

映画「20世紀少年」第1章の音・音楽の仕上げ作業開始

大好きな作業

がらりと印象が変わるからだ

20分程度に分けられたブロックを何度も繰り返し見て

「完成」に近づけていく

早くても4~5回見る

それだけ見るといままで“見えなかったこと”もみえる

“見えてはいけないもの”を発見したりもして

慌てるセクションもある

しかしほとんどは直し作業待ち時間なので、本を読んだりPCいじったりして暇を潰すのだが

今回はすぐ第2章の残り、第3章の撮影が控えているので、ぼおっとしていられない

昨日も美術関係の打ち合わせを6時間以上(しかも2回目)

撮影までにロケハン、細かいチェックや打ち合わせに至っては膨大な時間と回数を要するだろう

それだけ“分厚い”内容なのだ

第1章をご覧いただければわかると思う

しかし一生のうちもう二度とないだろうというビックプロジェクト

命を縮めてでもがんばりまする

つーワケでダビング中もいろいろ仕事

普通は東宝や日活など撮影スタジオの中にある巨大スタジオで(まるで映画館)作業するのだが

今回はどのスタジオも忙しく

なんと渋谷はNHKの裏にあるおしゃれなカフェバーのビルの中の秘密基地のようなスタジオで一週間

こんな繁華街ではいくらお金があってもやばい

ケータイでしょ

パンツにシャツ

靴、かばん

めがねにもしかしたらコンタクト

時計に帽子

そしてそして・・・・

いやいやプロデューサーやコンテ用紙を持った助監督の監視の目が光る

さっさとコンテ書きやがれ

それで何百人が動くとおもってるんだっ

一日構想が遅れることでどんどん「窮地」に陥っていくのだ

もう限界だぞ!

・・・・という心の声が聞こえる

はい

が、がんばります・・・

さっき命縮めるって書いたばかりだし・・・

しかもスタジオ奥の代々木公園やNHKがガラス越しに見渡せる素敵な作業個室もLANケーブルつきで用意してもらったし・・・

(APのクスは“独居房”と言っていた・・・)

この素敵な都会の個室で画コンテ ラストスパート!

&ダビン・ぐ~!

・・・・すいません

ちゃんとやります 

 

 

 

映画「まぼろしの邪馬台国」

こちらもラストスパート!

様々な問題解決の毎日

映像の質感

CG

音楽・音・・・

「昭和の島原」の再現は大変だが、いかにも楽しい

意外とハイテク映画だが

そんなことは微塵も感じない楽しい元気が出る映画になると思う

お楽しみに!

 

 

 

六本木で「ブルーマン」

90年代から一度見たかった舞台

いやあ文句なしに面白い

最高に高級でセンスのいい“演芸”だね

「客」になれて楽しかった

また見たい

 

 

国立新美術館で

「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」

いままで地味だと思い込んでいた“静物画”にこんなにもメッセージや隠された言葉や記号があるなんて・・・

絵画の役割・存在意義って・・・

17世紀のオランダって・・・

いろんなコト考えて全く飽きない

どころかじっくり向き合いたかったのだが

人がたくさん過ぎてままならず

画のもつ第一印象や構図や光沢などを記憶して

画集を買い、そのうちゆっくり研究することに

 

そのままアボリジニ天才画家

「エミリー・ウングワレー展」

“天才”ってこういう方のための言葉なのでしょう

点描が私の目には刺さりまくってきつかったが

だんだん表現が大きくなり

色彩が爆発し

突然モノクロームになり

そして亡くなる前2週間で書いた5枚の画の“筆、色の柔らかさ”に呆然とした

千葉の美術館でみた晩年無彩色になっていったマーク・ロスコの表現の推移をなぜか連想した

荒涼たる大平原と荒涼たる大都会・・・

芸術家達には“世界がこう見える”視線の豊かさに、私の人生の精神的貧しさを痛感 

しかし天才芸術家の「生」の絵画に触れることが出来るだけで

なんて幸せなことか

何度も詣でたい

 

 

 

さてさて

そろそろ時間かな

眼下の渋谷は猛暑で行き交う人々も気だるそうだ

夜になれば

少しは過ごし易くなるのか

通りを眺めながらビールでも飲みたいところ・・・

いやいや

だから仕事だって・・・・

 

 

 

2008年07月25日

渋谷で、

超おしゃれな渋谷のスタジオで作業は続く

待ち時間は代々木公園の緑を見下ろして優雅にコンテ

コンテは進む

〇〇が飛ぶ!

××が歩行する!

東京は△△に!

そして怒涛の◆◆!

・・・・・

描くのは簡単

ついついノッテしまってカットが増える

これも眼下のヒートアップした渋谷の熱が伝わったからか

よぉおしっ

書くぞー

これもあれもこれもだぁぁあー

・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・・

う~ん、こんなにすごいの、現実的に可能なのか

頭を抱える各セクションの顔が浮かぶ

どーですかねー・・・という声が聞こえる

時間も予算も有限ですしねー・・・

そうだよね・・・

いやいや

いかんいかん

今回は暴れるぞ

そう決めたのだ

こんなチャンスはめったにないぞ

それにどんなにすごい内容でも

それは、オレじゃないから

 

渋谷のせい・・・・

 

 

音作業はがりがりと進む

毎日深夜まで

立体音響とはこういうことか

時代は進歩した

ちょっと前まで6㎜のオープンリールテレコ何台も動かして

カッターとセロテープで作業してたのに

今は全てがデジタル

早い早い

しかしやるべきことはは同じ

面白いかどうか

伝わるかどうか

高揚し感動するかどうか

眼と耳を何度も初期化することだ

 

 

最新のハイテックなスタジオだが

“編集家族”のあり方は変わらず

毎日、我が社のスタッフが何かを料理

手巻き寿司

焼きソバ

普通のご飯と味噌汁

そうめん・・・・

準備している様子は全くこのスタジオには似合わないが

しかし、うまい

手作りだし、皆で食べるし

スタジオ様ごめんなさい

火気厳禁のところホットプレートの使用だけ許可いただいて

時々ブレーカーも落としつつ

匂いを充満させつつ

ご迷惑かけてます

もう二度と貸してくれないだろうなー

あと2日

よしっ!明日は餃子に挑戦か!(全く反省してない)

 

 

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