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街が空いてきた

毎年夏は繰り返され

同じようでもあり

変化したようにも感じ

どうだったかなと

一番強烈に夏を感じていた

小学生だったころの

名古屋や両親の実家の大分市の郊外のことを考える

そこには自分ではどうしようもない

暑さや涼しさや広さや色彩や空気の感触が横たわっていて

「夏」という言葉からイメージされるあらゆる事象が存在していた

僕はその夏と積極的に戦おうとしていた

とにかく朝早く起きたり

水と戯れたり

冷たいものは貪欲に何でも口にした

小さな冒険を繰り返し

知らないことを知ろうとした

友達が親戚があきれるほど寝ているとき以外は夏を満喫していた

そして夏が終わってもそれを受け入れられなかった

これまたどうしようもない季節の推移を悲しんだ

夏以外の季節には高揚しなかった

ずっと地中にもぐっていて夏の間だけ外に出るみたいな・・・

後で思うとたいしたことはしていなかったのだが

とにかくその印象はなんだか強烈で

「夏は季節のひとつだが、特別な精神状態でもある」と思う

そしてそれは残念ながら

「もう感じることができない」






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2006年08月12日 12:00に投稿されたエントリーのページです。

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