毎年夏は繰り返され
同じようでもあり
変化したようにも感じ
どうだったかなと
一番強烈に夏を感じていた
小学生だったころの
名古屋や両親の実家の大分市の郊外のことを考える
そこには自分ではどうしようもない
暑さや涼しさや広さや色彩や空気の感触が横たわっていて
「夏」という言葉からイメージされるあらゆる事象が存在していた
僕はその夏と積極的に戦おうとしていた
とにかく朝早く起きたり
水と戯れたり
冷たいものは貪欲に何でも口にした
小さな冒険を繰り返し
知らないことを知ろうとした
友達が親戚があきれるほど寝ているとき以外は夏を満喫していた
そして夏が終わってもそれを受け入れられなかった
これまたどうしようもない季節の推移を悲しんだ
夏以外の季節には高揚しなかった
ずっと地中にもぐっていて夏の間だけ外に出るみたいな・・・
後で思うとたいしたことはしていなかったのだが
とにかくその印象はなんだか強烈で
「夏は季節のひとつだが、特別な精神状態でもある」と思う
そしてそれは残念ながら
「もう感じることができない」