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2008年10月 アーカイブ

2008年10月04日

さらに深まる秋

2日

映画「まぼろしの邪馬台国」=マボタイのキャンペーンで福岡

まずは大宰府にあるすばらしい国立の博物館で取材やら試写会舞台挨拶やら

展示物もすごそうだったが建物のデザインが斬新で

へえええ・・・と思っていたら

館長様に挨拶という段取りになり

ただでさえカジュアルな私、このようなアカデミックな場所は全く似合わないなあと小さくなる

するととても優しそうな館長様

「ぜひここでロケなどどうぞ」とありがたきお言葉

ははーっと恐縮するが

“その眼”でちょろちょろチェック

いくつか取材を受け福岡市内へ

過去、「トーキングブルース」で何度も行った会館で舞台挨拶

直後、福岡空港、ナイトフライトで名古屋セントレア空港

常滑のホテルで遅い夕食(サラダ)

そのままホテルロビーで仲間とコンビニワイン飲

 

昨日3日

映画「20世紀少年」で常滑ロケ

もともとセントレアロケ終了後、食事時間の待ちに名古屋の盟友タダキ氏の導きで偶然見つけた常滑の街

古い町並みをきちんと保存し、新しいコンセプトの観光都市に変えていこうとしている試みに感動

名物の『土管』で街づくりとは・・・

「これはケンジの街だ!」

早速ロケを申し出、快諾していただき

もう何度も撮影

昨日はありがたくも市長様まで撮影現場にお越しいただき

ベリー恐縮

なるべくご迷惑かけぬよう(でも充分迷惑かけたおして)無事撮影終了

まだまだ続きますがどうぞよろしくお願いします

 

そのまま名鉄で名古屋

エスカの山本やで味噌煮込みうどん

新幹線で車内販売ちびワイン飲みながらCGノザキ社長とバカ話

すっかり真っ赤で品川

偶然同じ新幹線に乗っていた女優様に

「おひさしぶりです~・・・(あれ、赤い・・)」

「す、すいません、お、お、お久しぶりで、いや、ロケ終わって、酔ってまして・・」と弁解

恥ずかしかった(だったら飲むな)

酔い覚ましに金曜日のサラリーマンでごった返す東品川で夜風

涼しくて心地よかった

 

今日

またまた成城は東宝

撮影はゴーズオンです

 

 

 

映画「まぼろしの邪馬台国」

11月1日大公開

吉永小百合さんは本当に素敵な方でした

この作品を撮ることが出来て本当に幸福です 

感謝!

ぜひ劇場でご覧ください!

 

2008年10月07日

残念

名優 緒形拳さんの死を悼む 

 

朝起きてそのニュースには驚愕した

訃報に「まさか・・」とおっしゃる方は多いが

本当にまさか・・と感じた

長く会ってないが元気な方だと信じ込んでいた

はじめて仕事をさせていただいた時

その仕事に対する情熱、取り組み方の“強さ”に驚き、畏怖した

会社帰りに玄関でドアを開けると、娘の恋人の靴を発見し、

怒り、居間に向かう・・という短い芝居の説明の時

私は「3秒靴を見てください。それで怒った気持ちになっていただいて、その間に男の靴のアップを撮ります。その間、怒った顔で待ってていただいて、中に入ってください」と説明したら

「そんなテレビ的芝居ができるかあ!感情は一瞬だ!何秒とかで測れんっ!ワシはすぐあがるっ!お前がちゃんとそれを見逃すなっ」

と激怒され頭をゲンコツで殴られた

「ううっ・・(テ、テレビなんだけど・・)」

緒形さんの手は大きい

痛かった

衆人環視の中、猛烈に屈辱だった

私の連ドラデビュー作「ポケベルが鳴らなくて」というドラマ

反発心も猛烈に芽生えたが

どんな小さな芝居でも自分の演技的生理を全身でぶつける演者=緒形さんの存在感に圧倒された

「ぱっぱっとやって早く終わろー」なんて思っていたであろう私の心を見透かされていたような・・・

自分を恥じた

私がこの人と“戦う”には映像の存在感しかないと決意

連ドラの5本目からの登板だったがそれ以前の作風と大きく変わる映像演出をした

不連続なアップの連続

水平感覚を失う手ブレ・・・

チーフDからはめちゃくちゃ怒られたが

どうせ殴られるなら思い残すことなく・・・意地だった

その後のドラマ作りの基礎となる

最終回、台風の中、撮影を待っている間、はじめて緒形さんとじっくり話をさせていただいた時に、そんな映像についてお褒めの言葉をいただいた、驚き恐縮

「お前はヘンだ。映画を撮れ」といわれる

制作会社から派遣された一介のドラマ演出の私には思いがけないお言葉だったが

その言葉がドラマから映画に向かう“恐怖心”を乗り越え

後押ししてくれたのも事実

その後、恐る恐るお願いした映画「さよならニッポン!」を主演していただく

沖縄の小さな島の村長が日本から独立して大統領になるという“演説”がテーマの荒唐無稽な話だったが

何度も夜、ホテルで演説原稿の確認をさせられるほどの気合いをいただき

そして何度も怒られた

琉球の開放感にこだわる緒形さんの気持ちと

ある種の政治戯画を撮りたい私の気持ちが重なって

興奮する作品作りになった

一連の宮古島作品の始まりにもなった

国内公開成績はぱっとしなかったが

(内容的にオウム事件と重なる点が多く、プロデュースサイドが弱腰に、公開も遅れる)

NYのリンカーンセンターで公開されるなど一部の評判にはなった

私のオリジナル映画企画の初めての作品だった

その後、舞台や映画やドラマやCFで活躍する緒形さんの姿は毎日見る

その度に「いい加減な演出してないかっ!」と叱責されているような気持ちになる

5~6年前、真偽は定かではないが人づてに「さよならニッポン!パート2」やりたいと緒形さんが言ってたよ・・と聞く

嬉しかった

企画書まで書いた

石油メジャーと国際女スパイが狭い島を暗躍し

混乱の果てに緒形大統領が広場に一同を集め

“世界を叱る”内容

ぬるい演出家としての態度を最初に殴り飛ばされたあのゲンコツの痛みを忘れたくなかったからだ

その企画書は誰の眼にも触れずに終わった

残念だ

全く残念だ

緒形さんの書く字が好きだった

やはり主張ある人生、反骨精神のある人生、拳を持つ人生、そして優しい眼を持つ人生を送る方は

メッセージとしてメディアとしての文字を持つんだなあ・・としみじみ思っていた

あらゆる意味で尊敬に値する方だった

 

最後にお会いしたかった

殴って欲しかった

 

ご冥福をお祈りします

 

堤幸彦 

 

 

2008年10月12日

牛歩

 

牛歩のごとく映画「20世紀少年」の撮影は進む

慎重に一歩一歩

でも確実に前に進んでいる

台本の残量が毎日減っているのだ

もちろんまだまだ時間はかかる

たっぷり撮るべきものがある

3本だけど質量は5本分以上かな・・・ 

来年の夏まで格闘する作品

 

でも台本の撮了線が増えるのは、少々寂しい

 

 

 

 

映画「まぼろしの邪馬台国」

11月1日公開!

私の両親は九州は大分の出身で

母親の旧姓は「宮崎」

九州で知らぬ人がいない有名人のストーリーは

なんだか他人事ではない

今回のお話は逆サイドの長崎・島原のお話だから

地域性も言葉もぜんぜん違うが

ちょっと「ルーツ探し」的な気分もあって

楽しく九州を見つめながら撮りました

小学生の頃、うるさいガキだった私は、両親の陰謀で

(両親は静かにテレビなど見たかったのか・・・)

夏休みの間中、毎年、九州に“強制疎開”させられていて

その時見た海、山、川、そら

感じた空気、温度、匂い

聞こえた幾万もの音(特にSL)、言葉

食べた味

旅した土地(阿蘇だ!)

これらDNAにインプットされた九州の記憶を呼び起こして

撮影に望んだのでありました

 

全国的に均一化する『日本文明』のつるんとした佇まいの中にも

当時の記憶に違わぬ痕跡を垣間見たり

引き継がれていくべき路傍の風景の重要性を認識したり

なかなか意味深い撮影の旅でありました

 

映画は難解な点は一つもない、優しい話

ぜひ劇場でご覧いただき

「ああ、九州の旅も、いいかも・・・」

など思っていただければ本望

そして数奇だが運命を楽しむ夫婦の話に

ほんわか暖かくなっていただければ・・・

時節もだいぶん寒くなってきましたし 

そんな願いをこめてお届けします

よろしくお願いします!

 

 

10月15日

青山スパイラルホールで

劇的3時間SHOWという連続トークイヴェントに出ることに・・・

文字通り3時間喋り続けるわけだが

かなり自信、ない 

ので、過去、今、これから組む有名プロデューサーの皆さんにご登壇いただき

私を“メッタ切り”してもらおうと・・・

どうなることやら

 

 

2008年10月19日

秋、進む

 

映画「まぼろしの邪馬台国」

島原は本当においしいモノだらけだった

具雑煮・・・母親の手料理の味がした

かんざらし・・・涼しい甘み

そうめん・・・天文学的(どんだけ?)にうまい

代表的なこれらのメニューもさることながら、ちょっとした食堂のちょっとしたモノがほんとうにおいしい

水がおいしいからだ!と強引に結論つけたが

それだけじゃない

きっと島原の人々が我々の見えないところで

優しく食材を“鍛えている”のに違いない

大いなる厳しい自然と共生してきた土地柄だ

間違いなく“鍛えている”

「・・・おいしくなるばい・・・おいしくなるばい・・・」

・・・・なワケないか

 

ということでマボタイにはたくさんの島原の食べ物が映っています

特にかんざらしはもう一つの名物「いぎりす」と一緒に

ほんの一瞬だけど存在をアピール

しかしおいしいモノもそのまま撮ってもおいしそうに見えない場合もある

そこでスタッフはおいしそうに見える魔法を使う

これがまさに魔法で・・・

よって編集などで私はやたらと

お腹がすくのだった

パブロフの犬・・・ 

 

11月1日公開

あなたも映画館でお腹すかしてください

 

 

 

映画「20世紀少年」

第2章の編集順調!

しかしまだまだ途上

“編集の神”は微笑まず

第3章撮影順調!

先日のロケ現場で研ナオコ様にベースで居眠りした無様でメタボな写真を撮られ、しかもブログで公開され

ううっ!恥!

 

一昨日昨日と潮来の広大な野原で“あらゆる撮影機材”を駆使しクライマックスシーンを撮影

本日からも東宝スタジオにて続き

巨大な足音(?)響き渡る中、クリフハンガー!って・・ 

いつまで続く

クライマックス!

 

 

先日の「劇的3時間SHOW」にお越しいただいた皆様

ながーい雑談にお付き合いいただきましてありがとうございました

最近お世話になっている方々、大勢様御登壇で

私はいろんな意味で面白かった

言葉の端々の真実が面白かった

エクセル粉砕!なんのこっちゃ 

もっとお客様と話したかったが・・・

あっという間の3時間半 

またやりたいっすねー

ロフトプラス1とかで・・・

主催者の方々ありがとうございました

お世話になりました

 

 

 

さて9時だ

段取り説明会が始まります

 

2008年10月25日

またまた宇都宮

 

街路樹も秋に染まってきた

またまた宇都宮の、街の中心の、大変重要な建物をお借りしての撮影

コスチュームも揃った地球〇〇〇が〇○〇○と〇〇〇を〇〇し

巨大な階段で〇〇とすれ違い〇〇を渡され

そして〇〇〇は・・・・

という3章の重要なシーンなのだ!

・・・・なんだそりゃ・・・・ 

餃子の街、宇都宮には本当にお世話になっている

(餃子の像が割れたって?写メしとけばよかった・・・)

今日も明日もお世話になります

すんません

 

 

 

11月1日

映画「まぼろしの邪馬台国」封切!!

ぜひ劇場でご覧ください!

私が生まれた頃の時代を作るのは

ルーツ探しでもありとても楽しい作業でした

特にSL

私は鉄道マニアではありませんが

やはりホンモノを目の前にすると興奮して写真を撮りまくる

SLには男の子をひきつける魔力があるのだな

それだけではなく車や建物、小道具に至るまで昭和と九州にこだわりました

美術・装飾チームの想像力溢れる職人芸が光ります

そして温暖な島原の“光”

広さややわらかさを醸し出す映像

そこに吉永さん、竹中さんはじめとする

素晴らしいキャストが「人生」を演じます

自分で撮っておきながら

「ああ、いい話だなあ~」とほのぼのしてしまう未熟な私ですが

その“温度”を皆さんにもなんとかお届けしたい

ぜひお近くの劇場でご覧いただきたい

どうぞよろしくお願いします!

 

 

 

2008年10月27日

まぼろしの邪馬台国

 

いよいよ11月1日

映画「まぼろしの邪馬台国」全国大公開!

昨年の10月25日から撮影を始めてちょうど一年

(準備はそのはるか前から・・・)

やっと封切で感無量です

吉永さん筆頭に精力的キャンペーンを繰り広げていますし

テレビスポットなどで眼に留まることも多いかと思いますが

ぜひ劇場で、

“一言では語れない”

ある夫婦の人生をご覧ください

とにかく楽しい映画です

なんだか「ふるさと」みたいな映画です

親しい人と旅に出たくなる

そして

 日々生きることが過酷な時代だからこそ

「運命を楽しむ」二人の姿から

(もちろん“結果として・・”です、実際のご苦労は計り知れない・・・) 

なにか柔らかなメッセージをもらえるかも・・・

 

ぜひ劇場でお確かめください!!

 

 

2008年10月29日

11月1日は!

 

映画「まぼろしの邪馬台国」公開!!

 

吉永さんを撮らせていただいたことは本当に光栄なことです

竹中さんとがっつり組めたことは本当に興奮する出来事です

そして題材への興味は尽きることなく

(ついに古墳めぐりをしようかと・・・)

まして相当苦労して

昭和の時をスクリーンに刻み

(スタッフがね・・・)

建物一つ

雲ひとつ

樹一本にかけた時間は思い出深く

(っても出来たのはつい最近だが)

生涯の記念になりました

(私の本音はどうでもいいか・・・)

ぜひ皆さんにご高覧いただきたく存じます

(ホントです)

 

劇場へ!!

 

 

 

そーこーしているうちに

映画「20世紀少年」も撮影が終わりに近づいてきた

次々オールアップするキャスト

終わったセット

深まる秋、成城、いや清浄な空気とあいまって感無量だ

メランコリーだ

旅に出たい気分だ

でも気を緩めてはいけない

まだまだ大きな山場が・・・・

アレをアソコでナニしなくてはいけない

う~ん

そしてクランクアップしても来年の6月、いや7月まで編集やらCGやら音仕上げやらキャンペーンやら

やらやらの日々が続くであろう

やるぞやるぞやるぞ!

(・・・古墳は、行きます) 

 

 

くどいようだが

映画「まぼろしの邪馬台国」

お誘いあわせの上、ぜひ劇場でご覧ください!!!

 

 

 

 

2008年10月31日

いよいよ!!

映画「まぼろしの邪馬台国」

公開です!

お近くの劇場でどうぞご覧ください!

よろしくお願いします

 

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